健康食品と特許

商標調査について

 商品のネーミングを考えたら、候補となる名前が商標登録可能かどうかを調査することが必要です。商標調査は、候補となる名前を使用した場合に、既に登録されている商標権の侵害とならないかどうかを判断するのにも役立ちます。

 商標調査は、現在では、特許庁のホームページのJ-PlatPat (特許情報プラットフォーム)にアクセスすることによって、誰でも容易に行えるようになりました。しかしながら、調査の仕方に若干の知識が必要であり、ヒットした商標との類似判断等においては、やはり専門的な知識が要求されます。

 J-PlatPatには、「商標検索」というボタンがあるので、これをダブルクリックして商標のメニューを開き、その中の称呼検索を選択します。そして、「称呼」という欄に候補になった商標名をカタカナ全角で入力し、「類似群コード」という欄に、商品の類似群を入力します。「類似群コード」の代わりに「区分」という欄に国際分類を入力してもよいのですが、類似群で調査した方がより的確な調査ができます。

 ここで類似群というのは、特許庁の商標審査部内で検討し、決定した商品、役務に関する類似範囲を示すものです。商標権は、登録商標に同一又は類似で、指定商品又は指定役務に同一又は類似の範囲で、第3者の使用を阻止する権利を有するので、商標か、商品のどちらかが非類似であれば権利侵害にはならず、また、登録可能性もあります。

 因みに、何らかの生理活性を有する食品素材を主成分として、粉末状、顆粒状、錠剤状、カプセル状、液状などの形態で販売される健康食品の類似群は、32F15とされています。したがって、商標調査においては、これらを半角でそれぞれの間にスペースを設けて、上記「類似群コード」という欄に入力して検索を行えばよいわけです。

 ただし、健康食品といっても、例えば菓子、パン、清涼飲料のように、通常の食品として販売されるもの(健康志向の食品)に関しては、それぞれの商品の類似群で調査しなければなりません。この類似群は、特許庁ホームページで「類似商品・役務審査基準」を検索して調べることができます。

 次に、称呼の入力方法について注意点を述べますと、例えば「おにぎり」を指定商品にして、「ころりんおにぎり」という商標を調査したい場合、「おにぎり」という言葉は商品の普通名称そのものであり、商標の要部にはなりません。したがって、「コロリンオニギリ」と入力するのではなく、「コロリン」と入力しなければなりません。

 しかしながら、同じく「おにぎり」を指定商品にして、「おにぎりころりん」という商標にしたい場合はどうなるのでしょうか。この場合には、「おにぎりころりん」という一つの意味をなす言葉になり、「おにぎり」という言葉と「ころりん」という言葉が一体不可分であると判断できるため、「オニギリコロリン」と入力して検索する必要があります。

 すなわち、「ころりんおにぎり」という商標では、「コロリン」という称呼の先願登録商標があれば拒絶されてしまうのに対し、「おにぎりころりん」という商標にした場合には、「おにぎり」という言葉と「ころりん」という言葉が一体不可分であるという判断がなされ、「コロリン」という称呼の先願登録商標があっても非類似であると判断される可能性があるのです。

 現実に調べてみると、おにぎりが属する類似群32F06を指定商品に含む商標において、「おにぎりころりん」という登録商標と、「ころりん」という登録商標とが、それぞれ異なる権利者名で成立していることが分かります。

 このように、商標の調査においては、候補となった商品名のうち、商標の要部がどこにあるか、あるいは商標が複数に分かれて判断されないか(例えば漢字とカタカナからなる商標や、上下2段に併記された商標など)を検討し、それによって考えられる称呼をそれぞれ入力して調査する必要があります。

 このように、商標の調査は、特許庁のホームページを使って、誰でも手軽に行えるようになったものの、的確な判断が必要とされる場合には、やはり特許実務経験の豊富な特許担当者や、特許事務所等の専門家に依頼する方がベターであると思います。

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