健康食品と特許

商品のネーミングについて

 商品の容器や包装には、例えば商品の名称、原材料、用途、使用方法、製造販売元等の情報が記載されています。これらの情報の中で、他社の商品と区別するために付された独自の名前やマークは、商標登録出願をすることによって商標権を得ることができます。新商品の販売に際しては、他社の商品と区別するために、その商品独自の名前やマークを考えると共に、そのような名前が他社の商標権の侵害にならないかどうかを調査し、また、登録可能性があれば、商標登録出願をすることが望まれます。

 商標登録を受けるためには、商標法上で定められたいくつかの登録要件を具備する必要がありますが、この登録要件のうち重要なものの1つとして、その商標が自己の商品と、他人の商品とを区別、識別できるだけの特徴を有していることという要件があります(自他商品識別力)。すなわち、その商品の普通名称、産地、販売地、提供場所、品質、原材料、効能、用途、数量、形状、価格、加工方法、使用方法、販売方法、生産方法、使用時期等を普通に表示したに過ぎない言葉等は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとして拒絶されます(商標法第3条)。

 ところが、調査依頼を受ける商標の中には、上記のような識別力のない商標に該当するものが多いのが現状です。例えば「フコイダン」、「アガリクス」のように健康食品の有効成分をそのまま表示したもの、「スーパー」、「ゴールド」などの商品の等級などを表す用語を用いたもの、「発酵」、「熟成」などの製法上の特徴をそのまま表示したもの、「スリム」、「ビューティ」などの効能に関係する用語をそのまま用いたもの、「EX15」、「240粒」のような品番や含量を表す用語を用いたもの、あるいはこれらと普通名称との組合せ、これらの複数の組合せからなる商標が挙げられます。

 商品のネーミングに際して上記のような商標が候補に挙りやすいのは、それらが誰にもわかりやすい言葉だからだと思われます。しかしながら、そのような言葉は、商標登録を受けることができないので、使用をすること自体は自由であるけれども、他社に真似をされても文句を言えないという問題があります。また、需要者もそのような商標では、他社の商品と区別がつきにくいので、他社の商品を間違えて買ってしまう可能性もあります。

 一方、だからと言って、商品とは何の関係もない名称をつけても、需要者に対するアッピールが弱く、覚えにくいという問題があります。したがって、商品の内容を示しつつも、他社製品と明確に区別できる識別力のある名前をつける必要があります。

 その1つの方法として、例えばその商品の種類や成分がわかり、しかも直接それらの名称を表すものではない商標にすることが考えられます。特許庁ホームページの商標の称呼検索により、私の気付いた範囲で上記のような商標を例示しますと、例えば「コンドロイゲン」(商標登録第3358781号)、「OLIGOCC」(商標登録第2285654号)、「よーぐるどん」(商標登録第2498137号)、「かてきんちゃん」(商標登録第4037426号)、「なんこつくん」(商標登録第4529839号)、「ブロッコスルフォラファン」(商標登録第4627956号)などが挙げられます。

 もう1つの方法として、その商品の効能や用途を暗示するような商標にすることが考えられます。このような商標としては、例えば「SLIM-MATE」(商標登録第2618108号)、「エネルギーイン/ENERGY IN」(商標登録第3017988号)、「ファイト・一発」(商標登録第4350593号)、「しっとり嬢」(商標登録第4595553号)、「免益源\メンエキゲン」(商標登録第4466938号)などが挙げられます。

 健康食品は、何らかの生理活性効果を有する食品素材を含有するものが多く、需要者もそのような効果を期待して買う商品だと言えます。しかしながら、医薬品ではないので、医薬的な効能を記載して売ることはできません。そこで、商品のネーミングを工夫することにより、間接的にではあるけれども期待される効能を需要者にアッピールするのが、うまいやり方ではないかと思います。

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